戦史叢書が2018年にオンライン公開されていた
私の働く大学には文学部があり、日本史を先行する学科もあります。
日本史の中でも古代・中世・近世・近現代とコースが別れているのですが、近現代を専攻する学生さんが多く利用される図書に、戦史叢書があります。
そんな利用の多い戦史叢書がなんと、全文オンライン公開されていることに恥ずかしながら最近気付きました。
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*>戦史叢書とは<*
戦史叢書は防衛省防衛研究所戦史部の前身である防衛研修所戦史室によって昭和41年から55年にかけて編纂された公刊戦史です。
大東亜戦争戦史叢書とも呼ばれるこちらは全102巻からなり、その名の通り太平洋戦争に関する報告書や資料などがまとめられた資料です。
私はあまり近現代史に明るくないのですが、公刊だということもあり太平洋戦争を研究する研究者にとってもかなり重要な資料であるようです。
ちなみにうちの図書館では102巻全てを所蔵しています。
文学部のある本学では図書館の利用も多く、請求記号も覚えてしまっているほどです。
メタな話をするとちょっと書庫の入り口から遠い場所にあるため、出納の依頼があると「ああ、またこれか……」となることも……(笑)
*>防衛省防衛研究所がオンライン公開<*
そんな予約がかかるほど利用が多かった戦史叢書ですが、なんと防衛省防衛研究所が2018年12月に全文オンライン公開してくれました。
利用者が"マリアナ諸島"についての史料を探しており、Google検索で偶然こちらのページを発見。
ホームページのドメインが「go.jp」ということで政府機関のホームページということにも驚き。
久々に先輩と二人で興奮した瞬間でした。
同時に1年以上も知らなかったことが恥ずかしくなり、「国立国会図書館のカレントアウェアネスなどにニュースになっていたかも!?」と確認しましたが、カレントアウェアネスには記事になっていませんでした。
本というのはどうしてもいつかは壊れていくものなので、こうしてオンライン公開していただけるのはありがたいですね。
最近は各種データベース・GoogleScholarだけではなく、国立国会図書館のデジタルライブラリーなど文献や史料のオンライン公開がどんどん多様化しているため、
インターネットで見られるありがたさの一方でこういった情報収集を怠ってはいけないなと自分の知識の無さを感じた次第です……。
戦史叢書の検索データベースはシンプルで分かりやすい作りになっていますので、興味のある方はぜひ触ってみてくださいね。
**オススメ本
私は博物館学芸員の資格も持っているのですが、学芸員課程で一番苦労したのは古文書学でした。
こちらの本は古文書のいろはから説明されているので、基礎的な知識を学ぶことができます。
博物館学芸員に興味のある方、古文書学を勉強してみようかと思っている方には大変読みやすい本です。