2021年本屋大賞10作品のあらすじをまとめました
先日4月14日に2021年の本屋大賞が発表されました。
文学賞といえば芥川賞・直木賞のイメージが強いのですが、本屋大賞は年々人気がうなぎのぼりでベストセラーを量産している賞となっています。
今回はそんな2021年本屋大賞のあらすじをまとめてみました。
大賞作品はもちろん、ノミネート作品についてもご紹介していますので、お気に入りの作品を探してみてはいかがでしょうか?
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*>本屋大賞とは<*
本屋大賞はその年1年間の間に発刊された小説の中で書店員が「面白かった」「お客様にお勧めしたい」「自分の店で出したい」と思える本を投票し、その得票数から選ばれる賞です。
書店員が選出するということで出版社への忖度がなく純粋に「面白い」本が選ばれることから、近年では文学賞の最大手である芥川賞・直木賞よりも本屋大賞作品の売り上げ部数が多くなってきているそうです。
2020年の本屋大賞は凪良ゆう『流浪の月』でした。
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*>2021年度本屋大賞は町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』<*
2021年度の栄えある本屋大賞作品は町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』でした。
おかあさんが、大好きだった。 人生を家族に搾取されてきた女性と、母親に「ムシ」と呼ばれている少年。愛を欲し、裏切られてきた孤独な魂が出会い、新たな物語が生まれる。
引用:中央公論新社特設ページ
大分県の小さな海辺の町を舞台に、家族に搾取される人生を送る主人公と虐待を受けた一人の少年の関わりを描いた作品です。
虐待・ネグレクトなどニュースで度々聞くようなリアルな描写に思わず胸がキュッとなってしまいそうになりますが、過酷なストーリーを通して生きる力強さや喜びを感じさせてくれるお話です。
底抜けに楽しい物語ではないですが、暗闇の中に一縷の光を見つけるような、人生に少しだけ救いを見出すような作品ですので、生きるのが辛いと感じている方にこそ読んで欲しい1冊です。
*>本屋大賞ノミネート作品のあらすじを一挙紹介<*
本屋大賞のこり9作品もあらすじをざっくりとご紹介します。
どの作品もエンターテイメント性に優れていてとても読みやすい作品となっていますので、ぜひお気に入りの1冊を見つけていただければと思います。
2位青山 美智子『お探し物は図書室まで』
お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?不愛想だけど聞き上手な司書さんが本と付録であなたを後押しします。
引用:ポプラ社
小さな図書館が舞台で、人生に悩む人々の背中を司書が思いも寄らない1冊とステキな付録で励ましてくれるというストーリーです。
レファレンスカウンターにくる利用者さんは必ず何かを探しています。司書はインタビューを通して目的の1冊を提供出来る様に本を選ぶのですが、人生に花を添えられるような本を提供できたらいいなといつも思います。
図書館司書としては絶対に読んでおきたいですし、図書館の良さを知ってほしい1冊です。
3位伊吹 有喜『犬がいた季節』
1988年夏の終わりのある日、高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。「コーシロー」と名付けられ、以来、生徒とともに学校生活を送ってゆく。初年度に卒業していった、ある優しい少女の面影をずっと胸に秘めながら…。昭和から平成、そして令和へと続く時代を背景に、コーシローが見つめ続けた18歳の逡巡や決意を、瑞々しく描く青春小説の傑作。
引用:双葉社
とある高校で飼われているコーシローを軸に「コーシローのお世話をする会」の歴代メンバーたちの青春を描いた作品です。
昭和63年から令和に渡りそれぞれの時代背景を基にした青春ストーリーはどの世代の人も懐かしさを覚えるはずです。出会いも別れも嬉しさも切なさもコーシローを通していろいろな気持ちで胸いっぱいになる1冊です。
4位伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』
敵は、先入観。世界をひっくり返せ!
伊坂幸太郎史上、最高の読後感。
デビュー20年目の真っ向勝負!無上の短編5編(書き下ろし3編を含む)を収録。
引用:集英社
もはや本屋大賞の常連といっても過言では無い伊坂幸太郎の新たな挑戦と呼ばれる1冊です。
本のタイトルにもなっている「逆ソクラテス」を含む5作の短編が収録されています。どれも小学生が主人公となっており、子どもらしい正直さと大胆さがスカッとさせてくれます。
子ども向け、というよりは子育て世代向けなのかもしれません。
5位山本 文緒『自転しながら公転する』
幸せって一体何? お金? 結婚? 安定した仕事? 子供? 家を持つこと? ぐるぐる思い惑いながらも、ひたむきに幸せを追い求める姿に、胸が熱くなる! 答えのない問いを生きる私たちをやさしく包む、7年ぶりの新作長編。
引用:新潮社
病気の親の介護のために地元に帰ってきて非正規社員として働く女性が仕事に恋愛に、家庭にと思い悩みながら人生を歩んでいくというストーリーです。
少しの不幸に目を向けすぎて幸せになることを拒んでいませんか?プライベートと仕事に押しつぶされてしまいそうな現代の頑張り屋さんたちにエールを送ってくれるような1作です。
6位伊与原 新『八月の銀の雪』
不愛想で手際が悪い――。コンビニのベトナム人店員グエンが、就活連敗中の理系大学生、堀川に見せた真の姿とは(「八月の銀の雪」)。会社を辞め、一人旅をしていた辰朗は、凧を揚げる初老の男に出会う。その父親が太平洋戦争に従軍した気象技術者だったことを知り……(「十万年の西風」)。科学の揺るぎない真実が、傷ついた心に希望の灯りをともす全5篇。
引用:新潮社
全5編の短編集です。どの作品にも科学的な題材を用いており、理系の方にはかなり刺さる作品です。
私のようなTHE・文系という方でも物語はすっと入ってくるようにできているので、安心して読める1冊です。
科学的な根拠や数字で細かく表されている小説は説得力があっていいですよね。
7位凪良 ゆう『滅びの前のシャングリラ』
「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。
なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」
一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。滅亡を前に荒廃していく世界の中で「人生をうまく生きられなかった」四人が、最期の時までをどう過ごすのか――。
引用:中央公論新社
昨年度の本屋大賞「流浪の月」の凪良ゆうさんが再びノミネートです。
隕石の衝突で1ヶ月後に地球が滅びる。そんな世界が4人の登場人物視点で語られているオムニバス形式の本です。
辛い、死にたい、世界なんて終わってしまえ。そう思っている人が実際に地球の滅亡を目の当たりにしたとき、本当の自分に向き合えるような作品です。
8位加藤シゲアキ『オルタネート』
誰しもが恋い焦がれた青春の普遍を、真っ向から描ききる。
加藤シゲアキ、これが新たな代表作。
引用:新潮社
2020年下半期の直木賞にノミネートされたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
ジャニーズグループNEWSの加藤シゲアキさんが作者ということでも話題の作品です。
マッチングアプリ「オルタネート」をめぐる高校生の青春の物語です。
とにかくリアルな現代高校生の青春模様が眩しく、爽やかな読み心地の作品です。
9位宇佐見りん『推し、燃ゆ』
逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し――。デビュー作『かか』が第33回三島賞受賞。21歳、圧巻の第二作。
引用:河出書房新社
言わずとしれた芥川賞受賞作品です。
主人公が心酔しているアイドル、いわゆる「推し」がとある不祥事をおこし炎上してしまい、彼女はどうするのか……というアイドル好きの方には共感しまくりなストーリーです。
実際に推しがいる人にはもちろん、そんな感覚が分からないという方にも楽しめるエンターテイメント性あふれる作品です。
10位深緑 野分『この本を盗む者は』
「ああ、読まなければよかった! これだから本は嫌いなのに!」
引用:カドブン
本嫌いの主人公が本の蒐集家の曾祖父が作った書庫から本が盗まれたという事件をきっかけに奇妙な世界に迷い込むというお話です。
ファンタジーミステリーというあまり無い雰囲気なので読む人を選ぶ感じはありますが、本好きな人はきっと楽しめるのではないでしょうか。
*>図書館ではあっという間に貸出されてしまうので注意<*
2021年本屋大賞のノミネート作品のあらすじをご紹介させていただきました!
どの本もあらすじを見るだけで読みたい気持ちが湧いてきますね。
こういった話題作は公共図書館はもちろん、大学図書館でも並んでいることがありますが、借りたい人が続出するためすぐにはなかなか借りられないことが多いです。
特に本屋大賞などの人気作は100人以上予約がかかることもあるようですね。
図書館で借りられるのをのんびり待つのも良いですし、待てない!という方はぜひ書店でお買い求めくださいね。